神楽城空想

セッカの街生きる
生活在雪花之街
行燈（あんどん）な物書きの腕に
燈籠旁作家的手邊
舵置け間に酒
放著舵不時喝酒
ぬるまった心得（こころえ）
疏忽大意的心得
ちっとも進まぬ筆の先
毫無進展的筆尖
風いま指結べ
風現在纏繞在指尖
流れ墨足したら
流動著蘸足了墨水
黒の糸綴れ
黑色的線條構出文字
セッカの街歩く
漫步於雪花之街
9つの商家（しょうか）の梁に
在第九家商家的樑上
舵取れ畫に酒
拿下舵賞畫飲酒
からかった寫し絵（うつしえ）
戲謔的寫生畫
首のお高い筆の先
高傲的筆尖
羽うら太刀（たち） 続け
羽毛背後太刀繼續
日陰（ひかげ）に語（かた）らう、茨の詩(うた)
在背陰之處聊聊吧，荊棘之詩
暮れた通り砕け燈籠（とうろう）
黃昏的街道破碎的燈籠
手招（てまれ）かれてただ
只是有人在招手
降りてゆけ鳴け（な）
走下台階大叫
茹（う）だる天外（てんがい） 甘露（かんろ） 商談(しょうだん)
炎熱的天外甘露講買賣
原色（げんしょく）の筆を買って
買一支原色的筆
紡ぐお噺（はなし）
來編織故事
躓（つまづ）きかけた本の
無法續寫的劇本
演技（えんぎ）執筆（しっぴつ）に手を貸せよ
請幫我執筆表演吧
四行目（よんぎょうめ） 壁（へき）に立て
站在第四行的牆上
城下（じょうか） 冠（かん） 落とせ扉
城下冠放下門
俯（うつむ）きかけた奏での
即將停止的演奏
上に建つ屍（しかばね） 踏みつけて
踩著堆在上面的屍體
鳴らせ白紙に笑（え）みあがった
發出聲響對著白紙笑了出來
神楽（かぐら） から慄（おのの）け
對神樂戰栗吧
セッカの街沈む
沉浸在雪花之街
一つの茨の夢に
在一個充滿荊棘的夢中
舵切れ戸に酒
轉著舵對著門喝酒
史（し）に成った嘯（うそぶ）き
已經成為歷史的呼嘯聲
不束（ふつつか）した筆の先
不成束的筆尖
波なか文映れ
波濤之中映出文章
あしらった目に疑（うたが）った
我懷疑著自己的眼睛
私の花咲いて
我的花盛開吧
逃げるように取って
為了能夠逃離才取下
只（ただ）紡（つむ）いで
只是編織著
また火が點いて
又點燃了怒火
空（から）回る
毫無意義的旋轉著
欲張りかけた本の
給貪得無厭的劇本的
舞台演出（ぶたいえんしゅつ）に手（て）を貸（か）せよ
協助舞台演出
三行目（さんぎょうめ)裏（うら）取れさくいうずつ積む去（さ）み悟（さと）る
從第三行開始慢慢積累逐漸領悟
心に見せて陽炎下に積む鎖（くさり） 引きずって
讓心靈看到在火焰下堆積的鎖鏈
もがけ白紙（はくし）にすえ看（み）取（と）った
掙扎著坐在白紙上看了看
喜劇（きげき） から桜へ
從喜劇變成櫻花
六面を操（あやつ）って
操縱六面
殺（ころ）す心なら捨てようか
如果是殺人之心的話就將它捨棄吧
茨のあがないに
負荊請罪
諸説（しょせつ）顛末（てんまつ）は手を貸せよ
眾說紛紜請助我一臂之力吧
一行目（いっぎょうめ）心売って
第一行就將真心賣掉
冊子（さっし）麻縄（あさなわ） 枕を吊るせって
冊子麻繩將枕頭吊起
終わりかけた奏（そう）での
即將結束的旋律
向こう見（み）ず瞼落として
不看那邊閉上眼睛
抑え白紙に身（み）を捧（ささ）げた
忍住將自己獻給白紙
神楽（かぐら） から爪弾（つまび）け
從神樂開始彈奏吧