僕歌詞
それは飛行機の故障で砂漠に不時著してから
那是發生在因飛機故障而在沙漠迫降
八日目のことだった。
第八天的事。
僕は水の蓄えの最後の一滴を飲みながら、
我一邊喝著最後一滴儲備水,
王子さまの話を聞いていた。
一邊聽著小王子的故事。
「ああ、君の思い出話はとても楽しかったよ。
[啊,你的回憶故事非常愉快啊,
でも、飛行機の修理はまだ終わっていないし、
可是,飛機的修理工作還沒有結束,
水も底を盡いた。」
水也見底了。 ]
「僕の友達の狐が言うにはね。」
[要我的朋友狐狸來說呢…]
「もう狐どころじゃないんだよ。」
[現在哪裡還是說狐狸的時候啊。 ]
「どうして?」
[為什麼? ]
「僕はもうすぐ喉が渇いて死んでしまうんだ。」
[因為我就快渴死了。 ]
「もうすぐ死ぬとしても、
[即使已經快要死了,
友達がいたっていうのはいいことだね。
可是有過朋友也是件好事呢。
僕だって、狐という友達がいて、
我也覺得覺得能擁有狐狸這個朋友
本當によかったもの。」
真的是很幸運。 ]
「この子は、どれほど危険が差し迫っているか
這個孩子並不明白現在迫近我們的
分かってないんだな。
是何等的危險。
飢えも渇きも感じないのだろう。
他應該感覺不到飢餓和乾渴吧。
僅かな日の光で十分なんだ。」
只需要少量的陽光就已經足夠了。
しかし王子さまは
可是,小王子
僕の考えが聞こえたかのようにこう言った。
像是可以聽到我的想法一樣,
「僕も喉が渇いたよ。井戸を探しに行こう。」
[我的喉嚨也好乾啊。一起去找水井吧。 ]
僕は、

「やれやれ」という身振り(みぶり)をした。
擺出一副“敗給他”的姿勢。
この広大な砂漠で、
在這麼廣大的沙漠裡
當てもなく井戸を探すなんて馬鹿げている。
盲目地尋找水井,實在太荒唐了。
それでも、僕たちは歩き始めた。
即便如此我們還是出發了。
何時間も黙りこくって歩いていたら、
就這樣一言不發地走了幾個小時
夜になって星が見え始めた。
入夜,開始看得到星星了。
渇きのせいか、少し熱っぽかったので、
不知道是不是乾渴的關係,我稍微有些發燒,
夢見心地(ゆめみごこち)で星を眺めた。
所以精神恍惚地眺望著星星。
僕の記憶の中で、
我的記憶中的
王子さまの言葉が踴っていた。
小王子的話跳了出來。
「じゃあ、君も喉が渇いているの?」
[那麼,你也口渴嗎? ]
しかし、王子さまは問い掛けには答えず、
可是,小王子沒有回答提問,
ただこう言った。
僅僅這樣說道。
「水は心にもいいんだよね。」
[水對於心靈也是有益處的呢。 ]
意味がよく分からなかったが、
我不是十分清楚這句話的意思,
黙っていた。
便沉默了。
王子さまにあれこれ聞いても、
因為我明白即使問小王子這個那個,
答えは返ってこないと分かっていたからだ。
他也不會回答。
王子さまは疲れて座り込んだ。
小王子因為疲憊而坐下不走了。
僕もその橫に座った。
我也在他的身邊坐下。
「見えない花のおかげで、星が綺麗だね。」
[星星很漂亮呢,因為有一朵看不見的花。 ]
「そうだね。」
[是啊。 ]
「砂漠も綺麗だ。」
[沙漠也很漂亮。 ]
それは本當だった。
這是真的。
僕はずっと砂漠が好きだった。
我一直喜歡沙漠。
砂丘(さきゅう)に座る。
坐在砂丘上,
何も見えない。何も聞こえない。
一望無際,萬籟無聲。
それでも靜寂の中で、
但是,卻有些什麼在靜寂中
何かが光る。何かが歌う。
發著光、唱著歌。
「砂漠が綺麗なのは、
[沙漠之所以美麗,
どこかに井戸を隠しているからだよ。」
是因為在某個地方藏著口水井哦。 ]
僕は、

不意に砂漠の不思議な光の秘密が分かって、
突然明白了沙漠裡不可思議的光芒的秘密。
ビックリした。
十分吃驚。
子供の頃、僕が住んでいた古い家には、
小時候,在我住的老房子裡,
どこかに寶物が埋まっているという
有著其中某處埋藏了寶物
言い伝えがあった。
這樣的傳言。
もちろん、誰も寶物を発見できなかったし、
當然,誰也沒有發現寶物,
もしかしたら、
而且說不定,
探そうともしていなかったかもしれない。
也許連想也沒想過要去找。
しかし、そのことが
可是,這個秘密
家全體に魔法を掛けていた。
卻令一整座房子都披上了魔法的外衣。
僕の家は、
因為我的家
その中心の奧深くに
在其深處
秘密を一つ隠していたのだ。
隱藏了一個秘密。
「そうだ。
[是啊!
家や星や砂漠を綺麗にしているものは
令家、星星和沙漠變得美麗的東西
目に見えない。 」
是眼睛所看不見的。 ]
「嬉しいよ、君が僕の狐と同じ考えで。」
[我好高興啊,你和我的狐狸是一樣的想法。 ]
眠ってしまった王子さまを両腕に抱いて、
我用雙手抱著沉睡的小王子,
僕は歩き始めた。
出發了。
胸がいっぱいだった。
懷著激動不已的心情,
壊れやすい寶物を運んでいるみたいだった。
就像是搬運著易碎的寶物一樣。
地球上に これ以上
我甚至想,在地球上,
壊れやすい物はないようにさえ思われた。
沒有比這更容易破碎的東西了.
月の光の中で、
我在月光中,
僕は王子さまを見つめた。
凝望著小王子。
色白(いろじろ)の額、
潔白的額頭,
閉じた瞳、風に震える髪。
緊閉的雙眼,隨風拂動的頭髮。
僕は思った。
我這樣想道。
(今見えているのは外側だけだ。
(現在所看到的僅僅只是外表。
一番大切なものは目に見えない。)
最重要的東西,眼睛看不見。)
王子さまの唇が開いて、
我彷彿看見小王子張著口,
少し微笑んでいるように見えた。
微微地笑著。
眠っている王子さまを見て、
看著沉靜中的小王子,
こんなにも胸がいっぱいになるのは、
竟然會如此激動不已,
この子が一つの花を
因為這孩子如此真誠地
こんなにも誠実に思い続けているからだ。
始終想著同一朵花。
眠っていても、
即使在小王子沉睡著的時候,
ランプの炎のように心を照らす
這朵花也像燈火一樣在照耀著他的心靈。
薔薇の花の面影。
玫瑰的音容。
そう思うと、
這樣想著,
王子さまは
就開始覺得小王子
なお一層壊れやすいように思えてきた。
比原來更容易破碎了。
ランプは守らなければならない。
必須要守護燈焰,
風のひと吹きで、明かりは消えてしまう。
因為一陣風就會把它吹滅。
こんな風にして歩き続け、
我就這樣守護著小王子繼續走著。
僕は明け方、井戸を見つけた。
黎明時我發現了水井。
僕たちが見つけた井戸は
我們發現的水井
サハラにある普通の井戸とは違っていた。
不同於撒哈拉中普通的水井。
サハラの井戸というと、
說起撒哈拉的水井,
砂地に掘られただけのただの穴にすぎない。
也不過就是僅僅在沙漠裡挖出來的一個坑。
ところがこの井戸は
可是,這口井
まるで村にあるような井戸だった。
宛如村莊里的水井。
「不思議だね。何もかも揃っているよ。
真不可思議呢,一切都是現成的。
滑車(かっしゃ)も、桶(おけ)も、綱も。」
滑輪、桶、繩索。
王子さまは笑って綱を摑むと、
小王子笑著抓住繩索,
滑車を動かした。
滑輪就活動了起來,
滑車は久しぶりに風を受けた
滑輪就像是許久才經受風吹的
古い風見鶏(かざみどり)のように
陳舊風向儀一樣
音を立てて軋(きし)んだ。
吱吱作響。
「聞こえる?僕たちが起こしてあげたから、
[聽到了嗎?因為我們喚醒了它,
井戸が歌っているよ。」
所以水井正在唱歌哦。 ]
王子さまに無理をさせたくなかったので、
我不想讓小王子費勁,
僕はこう言った。
所以這樣說道。
「やらせてよ。君には重すぎる。」
[讓我來吧,這對你來說太重了。 ]
ゆっくりと桶を井戸の淵まで引き上げ、
我輕鬆地將桶提到水井的邊緣,
注意深く置いた。滑車の歌は続いていた。
非常小心地將其放下,滑輪的歌聲仍在繼續,
震える水に反射して、
反射在蕩漾的水面上
太陽の光が煌いた。
陽光閃耀著。
「僕、この水が飲みたかったんだ。
[我想要喝那個水。
ねえ、飲ませて。」
來,給我喝點。 ]
「そうか。君はこれを探していたんだね。」
[對了,你就是在找它吧。 ]
僕は王子さまの唇に桶を近づけた。
我把水桶貼近小王子的嘴唇,
王子さまは目を閉じて飲んだ。
小王子閉著眼睛喝了。
祝福の宴のように、
心中滿溢著享用著祝福的盛宴般
甘い喜びに満ちていた。
甜美的喜悅。
この水は命を長らえるためだけの
這水並不僅僅是為了活命的、
ただの飲み水ではなかった。
單純的水。
それは、星空の下の徬徨から、
那是披星戴月走了許久、
滑車の歌から、僕の腕の力から
從滑輪的歌聲裡、經過我雙手的努力
生まれたものだ。
而得來的東西。
だから、贈り物のように、
所以,它就宛如禮物般
心に喜びをもたらすのだ。
給心靈帶來的喜悅。
子供の頃、クリスマスツリーの光や、
就如同孩提時代,聖誕樹的光芒、
真夜中のミサの音楽や、
深夜裡彌撒的音樂
みんなの優しい笑顔が一つに合わさって、
以及大家溫柔的笑顏,
僕が受け取るクリスマスプレゼントに
這一切令我收到的禮物
一層の輝きを與えていたように。
顯得更為耀眼。
「この星の人たちは
[這顆星球上的人們
一つの庭園で
都可以在一個庭園裡
五千本の薔薇を育てるのに、
種植五千株玫瑰,
自分たちが探しているものを見つけられない。」
卻發現不了自己正在尋找的東西。 ]
「見つけられないね。」
[他們是找不到的。 ]
「だけど、みんなが探しているものは
[可是,大家正在找尋的東西,
たった一つの薔薇や
明明在一株平凡的玫瑰[是啊。]
ほんの少しの水の中にも
和微量的水里
見つかるものなのに。 」
就可以找到。 ]
「そうだね。」
[是啊。 ]
「でも、目には見えないんだ。
[可是,用眼睛是看不到的,
心で探さなきゃいけないんだ。」
必須用心去尋找。 ]
僕は水を飲んだ。呼吸が楽になった。
我喝下了水,呼吸變得順暢了。
夜明けを迎えて、
迎來了拂曉,
砂は蜂蜜色に染まった。
沙漠被晨曦染成了蜂蜜色,
その色も僕を満ち足りた気分にしてくれた。
那色澤給我一種心滿意足的感受。
それなのに、なぜ僕は悲しかったのだろう。
然而,為什麼,我會覺得悲傷呢。
「約束は守ってね。」
[要遵守約定哦。 ]
「何の約束?」
[什麼約定啊? ]
「ほら、羊の口輪だよ。
[餵,羊的轡啊。
僕はあの花に責任があるんだから。」
因為我對那朵花負有責任啊。 ]
僕はポケットから
我從口袋裡
いろいろな絵の下書きを引っ張り出した。
扯出各式各樣畫的草稿。
王子さまは覗き込んで、笑いながら言った。
小王子湊近了仔細看著邊笑道。
「君の書いたバオバブ、
[你畫的猴麵包樹
ちょっとキャベツみたいだね。
有些像捲心菜呢。
それに、その狐は耳がなんだか角みたいだ。
而且那隻狐狸耳朵總覺得像角一樣,
長すぎるよ。」
太長啦。 ]
「酷いな。
[真過分啊!
僕はボアの外側と內側しか書けないんだから。」
因為我只會畫開著肚皮和閉著肚皮的蟒蛇啊。 ]
「それでいいんだよ。子供には分かるから。」
[那樣就夠了啊。因為孩子們是明白的。 ]
そこで僕は口輪を鉛筆で書いてあげた。
於是我用鉛筆給他畫了個轡。
それを手渡す時、
交到小王子手中時,
胸がぎゅっと締め付けられる思いがした。
我有種胸口被用力地勒緊的感覺。
「君は、これから何かしようとしているね。
[你是要打算做些什麼吧,
僕が知らないことを。」
而我什麼都不知道…… ]
「一年前、僕は地球に落ちてきた。
[一年前,我落到地球,
明日がその記念日なんだ。」
明天就是那一天的記念曰哦。 ]
しばらく黙ってから、王子さまは続けた。
短暫的沉默後,小王子繼續說道。
「落ちてきた場所はね、ここのすぐ近くなの。」
[我落下來的地方呢,離這裡很近。 ]
そう言って、顔を赤らめた。
他這麼說著漲紅了臉。
その時また、
那一刻
理由も分からないまま、
沒緣由地,
奇妙な悲しみに襲われた。
一種奇怪的悲傷襲上我的心頭。
「偶然じゃなかったんだね。
[那時不是偶然呢,
八日前の朝、君に出會ったのは。
八天前的早晨,我和你的相遇。
人が住む場所から千マイルも離れた所を
離人居住的場所有上千英里的地方,
たった一人で歩いていたのは、
你獨自一人走著,
落ちてきた場所に戻るところだったんだね。」
是因為正在返回墜落的地點啊。 ]
王子さまはまた顔を赤らめた。
小王子又漲紅了臉。
躊躇いながら、僕は付け加えた。
我一邊猶豫,一邊補充。
「それはもしかして、記念日だからかい?」
[難道說,是因為記念曰的緣故。 ]
王子さまは更に顔を赤らめた。
小王子的臉漲得更紅了。
質問には答えなかったが、
雖然並沒有回答我的疑問,
顔を赤らめるのは、
可是漲紅了臉
そうだと言っているのと
不就是和說“是的”
同じことではないだろうか。
是一樣的嘛。
僕は王子さまに言った。
我對小王子說道。
「ああ、なんだか心配だよ。」
[啊~不知道為什麼我好擔心啊。 ]
「君には今、
[你現在
やらなきゃいけない仕事があるでしょう。
有必須得做的事不是嗎。
機械の所に戻らなきゃ。
必須回到機體的地方去。
僕はここで待っているよ。
我在這裡等你啊。
明日の夜、戻ってきてね。」
明天夜裡,要回來哦。 ]
しかし、僕の不安は消えなかった。
可是,我的不安沒能消除。
狐のことを思い出した。
我想起了狐狸的事情。
飼い慣らされたら、
如果被人馴服了,
泣きたくなることもある。
就可能會要落淚的。
井戸の近くには古い石の壁の廃墟があった。
在水井的附近有段殘缺的古老石壁。
次の日の夕方、
第二曰的黃昏,
飛行機の修理から戻ってくると、
我由修飛機的地方回來,
遠くから王子さまがその壁の上に座って、
從很遠就看見小王子坐在那石壁上,
足をぶらぶらさせているのが見えた。
擺動著雙腳,
何か話しているのが聞こえてきた。
可以聽到小王子似乎在說些什麼。
「覚えてないの?全然ここじゃないよ。」
[不記得了嗎?絕對不是這裡哦。 ]
別の聲が何か言ったに違いない。
無疑另一個聲音說了些什麼,
王子さまは言い返していた。
小王子爭辯道。
「そうさ。日付は合っているよ。
[是啊,曰期吻合啊,
でも場所はここじゃないんだ。」
可是,地點不是在這裡。 ]
僕は壁に向かって歩いていった。
我向著牆壁走去,
相変わらず誰の姿も見えなければ、
仍然是沒看能看到別人的身影,
聲も聞こえなかった。
也聽不到聲音。
しかし、王子さまはまたこう答えていた。
可是,小王子仍然這樣回答著。
「もちろん、砂の上に、
[當然。你會從沙子上
僕の足跡が始まっている所があるよ。
看到我的腳印是從哪裡開始的。
そこで待っていてよ。
到那裡去等我吧。
夜になったら行くからさ。」
到了夜裡我就去。 ]
壁から二十メートルまで近づいたが、
雖然我已經走到離牆壁20米了,
まだ誰の姿も見えなかった。
可是仍然沒有看到任何人的身影。
そして、沈黙の後、王子さまがこう言った。
然後,一陣沉默後,小王子這樣說道。
「君の毒は強いの?
[你的毒厲害嗎?
長くは苦しまないんだね。」
不會感到很久的痛苦吧。 ]
立ち止まった。
我站住了腳步,
心臓がドキドキしたが、
心臟快速地跳動著。
まだ何のことか分からない。
雖然不知道發生了什麼。
「さあ、あっちへ行って。
[餵,到那邊去,
僕はここから飛び降りたいの。」
我想要從這裡跳下來。 ]
その時、壁の下の方に目をやって、
那個時候,我將視線投向牆壁的下方,
驚いて飛び上がった。
吃驚地跳了起來。
三十秒で人を殺せるあの黃色い蛇が一匹、
那是一條能在30秒內殺人的黃色的蛇,
王子さまに向かって、
它正向小王子
鎌首(かまくび)を持ち上げていたのだ。
抬著那鐮刀形的脖子。
拳銃を取り出そうとポケットを
我一邊擺弄著口袋
弄(まさぐ)りながら、
打算取出手槍,
僕は駆け出した。
一邊跑了出去。
その音を聞いて蛇は
蛇聽到了我的腳步聲
砂の上を流れるように滑らかに滑り、
就像在砂中游動一樣平滑地移動著,
微かな金屬音を立てながら、
發著微弱的金屬音,
石の隙間に入り込んでいった。
進入了石縫中。
急いで壁に駆け寄って、
我趕緊跑近牆壁,
僕の大事な王子さまを
正好將我最重要的小王子
かろ落ちで抱き留めた。
緊緊抱住。
王子さまは雪のように白い顔をしていた。
小王子的臉像雪一樣白。
「いったいどういうことなんだ?
[這到底是怎麼回事?
蛇と話していただろう?」
你在和蛇說話對吧? ]
僕は王子さまが
我解下小王子
いつも巻いているスカーフを解くと、
總是圍著的黃色領巾,
こめかみ(太陽穴)の辺りを濕らせ、
用水濕了濕他的太陽穴,
少し水を飲ませてあげた。
給他喝了點水。
するとも、何も聞けなくなってしまった。
可是,他仍然什麼也沒有說。
王子さまは真剣な面持ちで僕を見つめ、
小王子一臉嚴肅的神色凝視著我,
僕の首に抱き付いてきた。
並抱緊我的脖子。
息絶えようとしている
我能感受到那像是快要斷氣的
鳥のような胸の鼓動が直接伝わってきた。
小鳥一樣的心臟跳動。
「機械の修理が出來てよかったね。
[能夠完成機械的修理太好了。
お家に帰れるね。」
你能回家了呢。 ]
「どうしてそれを知っているの?」
[你怎麼知道? ]
僕は絶望的だと思っていた機械の修理が
我是打算告訴他,在絕望的情況下,
うまくいったことを知らせるつもりで
我已經順利完成了機械的修理工作,
戻ってきたのだ。
所以才回來的。
王子さまは僕の質問には答えず、
小王子依然不回答我的問題,
ただこう言っただけだった。
只是這樣說道。
「僕も今日、お家に帰るよ。
[我也今天回家哦。
でも、もっとずっと遠い。
可是,我回家要遠得多,
もっとずっと難しい。」
難得多。 ]
何かとんでもないことが起きよう
我注意到
としていることに気づいた。
有什麼意外將要發生了。
僕は王子さまを
我把小王子
幼子(おさなご)を抱き締めるように
像是摟緊孩子那樣
ぎゅっと抱いていた。
緊緊地抱住。
しかし、引き止める術(すべ)もないままに、
可是,彷彿無法將他拉回一樣
王子さまが
小王子
深い淵にまっ逆様に落ちていくような、
徑直朝著無底深淵墜下去,
そんな感じが消えなかった。
這樣的感覺無法消失。
王子さまの直向(ひたむき)な眼差しは、
小王子專注地凝視著
ずっと遠くを見つめていた。
遙遠的地方。
「僕には、君が書いてくれた羊がいるよ。
[我有你給我畫的羊啊。
木箱(きばこ)も口輪もある。」
還有木箱和轡。 ]
僕は長い間待った。
我等了很久,
王子さまの小さな體が少しずつ溫まってきた。
小王子的小小的身軀開始漸漸地溫暖了。
「怖かっただろう?」
[你是害怕的吧……]
怖かったに決まっている。
他肯定是害怕的。
しかし王子さまは
可是,
そっと微笑んで、こう言った。
小王子微微地笑著這麼說道。
「今夜はもっともっと怖いことになるだろうね。」
[今晚應該會更令人害怕吧。 ]
何か取り返しのつかないことが
那種將要發生某種無法挽回的事情的感覺
起こるという感覚に改めて襲われ、
再度襲上我的心頭,
身も凍るような思いがした。
我的心一下子涼了。
王子さまの笑う聲を
一想到再也聽不到
もう二度と聞けないと思うと、
小王子的笑聲,
耐えられなかった。
我就無法忍受。
僕にとってそれは、
那笑聲對我而言
砂漠の泉のようなものだったのだ。
就如同沙漠的泉水。
「ねえ、君が笑うのをもう一度聞きたいな。」
[吶,我想要再聽一次你笑。 ]
しかし、王子さまはこう言った。
可是,小王子這麼說道。
「今夜で、ちょうど一年になるんだ。
[今夜剛好滿一年。
去年、僕が落ちてきた場所のちょうど真上に、
去年,剛好在我所落墜下來的地方的上空,
僕の星がくる。」
我的星球來了。 ]
「ねえ、悪い夢なんじゃないの?
[哎,是不是噩夢啊?
蛇も待ち合わせも、星のことも。」
和蛇匯合的事,還有星星的事。 ]
しかし、王子さまは僕の質問には答えず、
可是,小王子沒有回答我的問題,
ただこう言うだけだった。
只不過這樣說道。
「大切なことは、目に見えない。」
[重要的事情是眼睛看不見的。 ]
「そうだね。」
[是啊。 ]
「花と同じさ。
[和花一樣。
どこかの星に咲いている花を愛していたら、
假如喜歡盛開在某一個星球的花,
夜空を見上げるだけで、楽しくなる。
那麼僅僅是仰望天空,心情也會愉悅。
全ての星に花が咲いているよ。」
所有的星球上都好像開著花呢。 ]
「そうだね。」
[是啊。 ]
「水も同じさ。
[水也是一樣。
君が僕に飲ませてくれた水は
你餵我喝的水
音楽のようだった。
就像音樂一樣。
滑車が歌って、綱が軋んで。
滑輪唱歌、繩索嘎吱嘎吱作響。
思い出すでしょ?とても美味しかった。」
你想起來了吧。非常好喝。 ]
「そうだね。」
[是……啊。 ]
「夜になったら、星を見て。
[到了夜裡,看星星。
僕の星は小さすぎて、
雖然我的星星太小了,
どこにあるのか分からないだろうけど、
你大概不知道它在哪裡,
その方がいいんだ。
可是那樣就夠了。
僕の星はたくさんの星のどれか一つ。
我的星球是許多星星裡的一顆,
だから君はどの星を眺めることも好きになる。
所以你會喜歡眺望所有的星星。
全ての星が君の友達になるんだ。
所有的星星都成了你的朋友。
そうだ、君に贈り物をあげるよ。」
對了,送你一件禮物哦。 ]
そして、王子さまは笑った。
然後,小王子笑了。
「ああ、僕の王子さま、
啊,我的小王子,
君の笑い聲、大好きだ!」
你的笑聲,我最喜歡了!
「これが僕の贈り物。水と同じだよ。」
[這就是我的禮物,和水是一樣的哦。 ]
「どういうこと?」
[什麼意思? ]
「星の意味が人によって違うでしょう?
[星星的價值因人而異不是嗎。
旅人には案內役だけど、
雖然對旅人們來說是擔任嚮導的角色,
そうじゃない人にはただの小さな光。
可是對其它人來說,只是微弱的光。
學者たちには研究対象。
對學者們來說是研究的對象。
あの実業家には黃金だった。
對那個實業家來說是黃金。
でも、どの星もみんな口を聞かない。
可是,無論哪顆星星都不會開口。
君だけが
只有你
他の誰も持っていないような星を持つんだ。 」
擁有別人誰也沒有的星星。 ]
「どういうこと?」
[什麼意思? ]
「夜、君が星空を見上げたら、
[夜裡,假如你仰望星空,
どれか一つに僕が住んでいる。
我就住在其中一顆上。
どれか一つで僕が笑っている。
我就在其中一顆上笑著。
だから君には、
所以你看上去,
全ての星が笑っているみたいに見えるんだ。
所有的星星似乎都在笑。
君は笑う星を持つんだよ。」
你擁有的是會笑的星星啊。
そう言って、王子さまはまた笑った。
這樣說著,小王子又笑了。
「悲しみが癒されたら
悲傷總有一天會平復的。
(悲しみはいつか癒されるよ)、
(悲傷總有一天會平復的。)
僕と知り合ったことが嬉しくなるよ。
和我相識的事情會成為愉快的事的。
君はずっと僕の友達だ。
你永遠是我的朋友。
君は僕と一緒に笑いたくなる。
你會想和我一起歡笑。
時々気放し(きばなし)に窓を開けてよ。
你會為了想要快樂而經常打開窗解悶。
空を見て笑っている君を見たら、
假如看到望著天空微笑的你,
みんなビックリするだろうね。
大家應該都會吃驚吧。
君はこう言うんだ。
你會這麼說
『そうさ、星を見ると、
“是啊,看著星星,
いつも笑っちゃってね。 』
我總會笑起來。 ”
みんな君のことを
別人應該會覺得
頭が可笑しくなったと思うだろうね。
你大概是腦子有問題
僕は君に
這就是我跟你
とんだ悪戯を仕掛けていることになるんだ。」
開的一個出人意外的玩笑。 ]
そう言って、王子さまはまた笑った。
這樣說著,小王子又笑了。
「まるで君に星の代わりに、
[就就好像你沒有看到星星,
たくさんの小さな鈴をあげるようなものだね。
而是看到了許多像小鈴鐺一樣的東西,
たくさんの笑う鈴をね。」
許多會笑的鈴鐺呢。 ]
そう言って、王子さまはまた笑った。
那麼說著,小王子又笑了。
それから、真剣な表情に戻った。
然後,回復了嚴肅的表情。
「今夜は、お願い。來ないでね。」
[拜託你今晚,不要來哦。 ]
「僕は君から離れない。」
[我不會離開你的。 ]
「苦しそうに見えるよ。
[我會看上去好像很痛苦的樣子啊。
とっと死んじゃうみたいに見えるかも。
就是那種,
そういうものなんだ。
也許看上去像是死掉了一次似的。
見に來ないで。見に來ることないよ。」
不要來看,用不著來看啊。 ]
「僕は君から離れない。」
[我不會離開你的。 ]
「でも、蛇のこともあるし。
[可是,因為蛇也在,
君が噛まれちゃいけない。
不能讓它咬你啊。
蛇って意地悪だから。
因為蛇喜歡刁難人呀。
面白半分に噛むかもしれないよ。」
也可能因為覺得有趣而咬你啊。 ]
「僕は君から離れない。」
[我不會離開你的。 ]
その時、王子さまは何かを思い出して、
那個時候,小王子因為想起了什麼,
安心した様子になった。
露出一副安心的樣子。
「そうか。蛇が二度目に噛む時は、
[對了,我記得,蛇咬第二口的時候
毒がないんだっけ?」
是沒有毒的吧? ]
その夜、
那天夜裡,
僕は王子さまがいなくなったことに
我沒有註意到
気づかなかった。
小王子消失了,
音を立てずに出ていたのだ。
他沒有出聲地離開了。
ようやく追いついた時も、
我好不容易追上他時,
心を決めたように、
他也是像是下定了決心似的
しっかりと足早(あしばや)に歩いていた。
堅定地快步走著。
僕を見ても、こう言っただけだ。
即使見到了我,也只是這樣說道。
「ああ、來たんだ。」
[啊,你來啦。 ]
そして、王子さまは僕の手を握った。
然後,小王子握住了我的手。
王子さまはまだ心配していた。
小王子仍然在擔心著。
「ダメだよ。辛い思いをするよ。
[不可以哦。會讓你留下痛苦的回憶的。
僕、死んだみたいに見えるかもしれないけど、
雖然我也許看上去像是死了一樣,
本當じゃないんだよ。」
可是事實不是這樣的。 ]
僕は黙っていた。
我沉默著。
「分かって。遠すぎて、
[你要明白,那太遙遠了,
この體は持っていけないんだ。重すぎるから。」
我不能夠帶著這副身體去。因為它太重了。 ]
僕は黙っていた。
我沉默著。
「古い抜け殻(ぬけがら)みたいなもんだよ。
[就像是蛻皮一樣啊。
抜け殻なんて、悲しくもないでしょう?」
蛻下的軀殼,沒有什麼可悲的不是嗎。 ]
僕は黙っていた。
我依然沉默著。
王子さまはちょっと気落ちしたけど、
小王子雖然稍微有些氣餒,
気を取り直して頑張った。
可是重新振作起來努力著。
「分かってよ。素敵なことなんだよ。
[你要明白,這是極好的事哦。
僕も星空を見る。
我也看星空。
すると全ての星が錆びた滑車の井戸になる。
然後所有的星星都會變成有著生鏽滑輪的水井,
全ての星が僕に水を飲ませてくれるんだ。」
所有的星星都會倒水給我喝。 ]
僕は黙っていた。
我沉默著。
「きっと楽しいよ。君は五億の鈴を持って、
[這一定很有趣,你擁有五億隻鈴鐺,
僕は五億の泉を…」
我擁有五億口泉水……]
そして、王子さまも黙った。
然後,小王子也沉默了。
王子さまは泣いていた。
小王子哭了。
「ここだ。この先は、一人で行かせて。」
[就是這兒了,之後的路讓我一個人走吧。 ]
しかし、王子さまは座り込んだ。
可是,小王子坐下不走了。
怖かったのだ。
他覺得害怕。
そして言った。
然後說道。
「ねえ、僕の花、僕は責任があるんだ。
[吶,我對我的花負有責任。
あの花はとっても弱いから。
因為那朵花非常的柔弱。
それに、とっても世間知らずだから。
而且特別地不諳世故,
世界から身を守るのに、
為在世上保護自己,
役立たずの四本の刺しか持っていないし。」
只擁有四根起不了作用的刺。 ]
僕も座り込んだ。
我也坐下不動了,
それ以上立っていられなかったのだ。
是因為再也站不住了。
「さあ、もう、いいね。」
[哎,可以了吧。 ]
王子さまは、
小王子
少しだけ躊躇ってから立ち上がった。
僅僅猶豫了一下之後就站了起來,
一歩踏み出した。
邁出了一路。
しかし、僕は動けなかった。
可是,我卻無法動彈。
王子さまの足首の辺りに、
在小王子腳脖子附近
一筋の黃色い光が煌いた。
一條黃色的光芒閃了一下。
一瞬、王子さまはそのまま動きを止めた。
一瞬間,小王子就那樣停止了活動。
聲も上げなかった。
連驚叫聲都沒有。
やがて、木が倒れるように靜かに倒れた。
不久,像樹一樣安靜地倒下了。
砂のせいで、音もしなかった。
因為沙的緣故,連聲音也沒有發出。
專輯歌曲
所有歌曲
1.
2.
3.プロローグ
4.地球
5.キツネ
6.エピローグ
7.
8.
熱門歌曲
諏訪部順一保志総一朗熱門專輯
更多專輯