洞源奇章歌詞
薄雲明ける刻に咲いた朝顔
少女は清き水に足を浸して
去りゆく胡蝶見やりて帯を揺らし
揺れ落つ露滴をその身に受ける
指折り數えて祈ったここから這い出せるように
幼き悲しき想いは時を越えてやがて消える
夕霧霞む闇に漂う蛍
靜かに羽を燃やし歌う鈴蟲
浮かべた燈篭には蜻蛉が舞い
橫笛木霊する謳闇を照らす
風に揺らされた鬼火はわたしの命の燈火
澪標を頼り歩く徬徨うは夢浮橋
回る回る風車の憧れた花の散る裡
夜露の踴りし水面にたゆたうは空の浮船
薄雲明ける刻に閉じた夕顔
心に咲いた其れはまるで宿木
幾年も前に見捨てた手に觸れられない空蟬
明日の明日のまた明日にも迎えの明石はないまま
正答などない絵合それさえも今は幸せ
虛ろな篝火吹き消し信じればここが花宴
憎くてそれでも愛しいわたしの生まれたこの場所
風に揺らされた鬼火と水の音だけあればいい
徬徨うは夢浮橋
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